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12.292014
亜鉛と高齢者の黄班変性症
加齢により網膜中心部にある黄斑に障害が生じ、見えにくくなります。
馴染みの薄い病気かもしれませんが、欧米では成人失明原因の第1位であり、日本でも高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因第4位となっています。
50歳以上の人の約1%にみられ、高齢になるほど多くみられます。
最近まで治療法がなかったのですが、近年治療法が開発されて、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになってきました。
新しい治療法によって、機能を少しでも回復させる技術は大変進歩しました。
しかし、一度発症すると機能を元に戻すことは大変困難なのです。
そのために、発症させない努力が大切になってきます。
理化学研究所(理研)の高橋政代博士が、高齢の黄班変性症の女性にiPS細胞を使って移植手術を行ったことは記憶に新しいところです。
夢のiPS細胞ですが、現時点では手術費用に数千万円かかり、多くの人に使うにはまだまだ時間が掛かります。
アメリカの権威ある眼科専門医が数年に渡り、亜鉛を組み入れた抗酸化剤等による高齢者の黄班変性症の進行抑制効果を多くの人で調査した結果が発表されています。
偽薬を使用した人と亜鉛を組み入れた抗酸化剤等を使用した人を比べています。
6年間以上の使用で、患者さんの28%に進行抑制効果が認められました。
理化学研究所(理研)の高橋政代博士は京都大学在籍中の1991年の学会で、高齢者の黄斑変性症では亜鉛が欠乏している事と欠乏が発生に関係しているかもしれないことを報告しています。
2013年のアメリカでの調査結果は、これを証明したことになると考えられます。
抗酸化作用のあるミネラルを利用して、発症の予防を検討しても良いかもしれません。
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