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2.102020
亜鉛とセレンと紅景天とがん増殖・転移抑制
がん細胞は遺伝子が傷つき、傷ついたまま細胞分裂を繰り返したために誕生してしまう、ミスプログラムの結果です。
しかし、人間には細胞ががん化してしまうことを防ぐがん抑制遺伝子があり、p53は最も有名ながん抑制遺伝子です。
p53が突然変異すると、困ったことにがん細胞を増殖させてしまいます。
正義の味方が悪魔に変わってしまうのです。
p53突然変異は全部のがんの約40%に起きていると言われています。
亜鉛とセレンは突然変異したp53遺伝子を正常に戻す動きがあり、それによってがん細胞が成長する事を抑える働きをすると報告されています。①,②
➁Mol Cancer Ther 2007;6(1):355–61
紅景天の主成分であるサリドロシドにはp53の活動を活発にし、がんの増殖を止め、がん細胞が自殺する(細胞の自然死:アポトーシス)手助けをします。③
亜鉛とセレンはがん抑制遺伝子を正常化させ、その上で、紅景天と一緒に遺伝子の活動を活発化させる、互いにがん細胞増殖を抑制することに協力して立ち向かうメカニズムが報告されています。④,⑤
➄Cancer Biology & Therapy 2006.5.5:529-535
次にがん細胞の転移についてですが、がん細胞はそれ自体、血管がないので自由に移動できませんが、自分で血管を作り、近くの血管につないで、そこから栄養素のブドウ糖を取り込み、さらに次につなげていきます。血管を作るメカニズムを抑制すれば、がんは転移し難くなります。
分かりにくいですが、亜鉛とセレンは、がんが新しい血管を作るときに働くたんぱく質の動きを抑制してくれます。(HIF-1α,β,VEGFはたんぱく質の一種)新しい血管が出来にくくなるので、がんが転移し難くなるわけです。⑥,⑦,⑧
⑦Bio.Bio.Res.Com.2000:268(2)652-
⑧Mol Carcinog 2000:29(4):236-50
日頃からこれらを摂取すれば、がん増殖や転移のリスクを減らせる可能性があります。直接、がん細胞を殺すわけではありませんが、がん細胞を元気にさせなくする準備と考えて頂ければよいと思います。
がんの唯一のエネルギー源はブドウ糖ですから、糖や炭水化物を摂り過ぎない生活環境も重要です。
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