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2.152015
亜鉛とうつ病の症状について
最近、うつ病患者は急速に増えており、うつ病を治療する薬も多く発売され、2,3種類の抗うつ剤を飲んでいる人も珍しくないのが現実です。
さて、亜鉛とうつ病の関連は以前から研究されていましたが、医学的根拠を伴った臨床試験によって、報告されてはいませんでした。
2003年に発表されたポーランドの研究チームの臨床研究です。
トフラニール(一般名イミプラミン)という抗うつ剤と亜鉛のうつ病に対する症状の改善効果を12週間にわたって、調査した研究です。
①では抗うつ剤と亜鉛を使った人と抗うつ剤とにせ(偽)薬を使った人で比較して、亜鉛の
効果を観ました。
抑うつ度チェック – ベックのうつ病調査(BDI テスト)と言って、うつ病の改善を判定するテストです。
②BDI指数の低い方が、正常に近い事を表します。
抗うつ剤と亜鉛を使った人は、段々改善し、6週目で抗うつ剤とにせ(偽)薬を使った人に比べて、改善度が高まり、12週目ではその差は一層明らかになりました。
亜鉛を使った人は重い症状から、軽い状態に改善しました。(表では赤から青に改善)
③、④では異なった別の抑うつ度チェック -ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS指数)で評価しました。
HDRS指数は10以下が正常で、低い方が程度が軽いと判定されます。
ここでも2週目で抗うつ剤とにせ(偽)薬を使った人に比べて、改善度が高まり、6,12週目ではその差は一層明らかになりました。
2つの評価でいずれも亜鉛のうつ病に対する有用性が認められました。
他にも亜鉛のうつ病に対する効果を示した研究が複数あります。
何故効くのか、メカニズムも示されており、今後有力な治療戦術として広く認知される可能性があります。
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