ブログ
9.12016
唾液分泌と味覚(味蕾細胞)と亜鉛
唾液の分泌が少ない、つまり唾液が少なくて食物が呑み込めない、味が分からないという人が増えています。
高齢者だけでなく、若年から中年層まで悩んでいる人は多いようです。
ドライマウス・口腔内乾燥症という病名がついていて、推定800~1000万人の患者がいると言われています。
原因は加齢、ストレス、偏食、薬・放射線の副作用など多岐にわたっています。
リウマチが原因のシェーグレン症候群によって発症する事も多く、20~30万人の方が悩んでいるようです。
ここで、唾液の役目を整理してみましょう!
- 唾液は消化を助けるだけでなく、胃から食道に上がってくる胃酸を中和する働きがあり、唾液が減ると逆流性食道炎を起こしやすくなる。
- 唾液は口の中を菌から守ってくれていますので、減ってしまうと虫歯や口内炎の原因になります。
- 唾液は舌の上で味を感じる細胞とお互いに連携しています。口の中では進入したものが安全か危険かを判断する最初の場所であり、唾液分泌と味蕾細胞が減るとその判断が出来なくなります。
美味しく食べるためだけでなく、生命の安全性の維持という大事な役目も唾液分泌にはあるのです。
唾液は副交感神経の興奮によって分泌されますが、最近交感神経の有意な人が多く、副交感神経とのバランスが悪くなっています。
人間の身体は自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを上手く取って成り立っているのですが、副交感神経が働かなくなると唾液分泌が悪くなり、消化のための腸の運動も悪くなります。
最近、動悸・息切れ・片頭痛等を訴える人が多いことから、交感神経の行き過ぎが考えられ、副交感神経が働かなくなり唾液の分泌が減っていることと考えられます。
高齢者では元々、分泌機能が低下していることも影響していますが・・。
対策を考えてみましょう!
交感神経の行き過ぎ(ストレス、睡眠不足等)を改善し、リラックスする事が重要です。
温めのお湯につかることも良いでしょう。
交感神経の行き過ぎには、ミネラルの摂取も考えられる方法です。
唾液の分泌には、アシノンという酸を抑える薬が有効※1という研究もあります。
又亜鉛は味蕾細胞が新しく生まれ変わる機能に関係し、味覚障害の改善をする※2ことが分かっています。
その上、唾液の分泌にも関係します。
※1 Progress of Digestive Endoscopy 2006.69.2.58-59
※2 日本口腔外科学会雑誌 2007.53,1,23-27
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。