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「耳鳴り」における亜鉛投与の効果

「耳鳴り」における亜鉛投与の効果

高齢者では、原因不明の「耳鳴り」に悩んでいる人が多いようです。

耳鳴りの専門の耳鼻咽喉科で「耳鳴り」と診断された高齢者(ここでは61~78歳とする)の血液検査を実施したところ、症状の強い人ほど健康な症状のない人と比べて、血液中の亜鉛濃度が低いことが分かりました。①
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「耳鳴り」の人に亜鉛製剤を使った研究は既に行われています。

「耳鳴り」と診断された患者に亜鉛製剤とプラセボ(亜鉛製剤とよく似たニセ薬)をそれぞれ2ヶ月間投与し、効果を観ました。亜鉛製剤投与は全部で28人、プラセボ投与は全部で13人でした。

効果が確認できたのは、亜鉛投与例で13人、プラセボ投与例では0人でした。②
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耳鳴り患者における亜鉛製剤の臨床試験

より多くの患者で亜鉛製剤の「耳鳴り」の治療に関する試験が行われています。

有効性の指標(物差し)はTHQという患者に直接質問に答えてもらう、問診票を使って評価しています。25の質問があり、症状の大きさ・強さから4段階で点数を付け、最大限に症状の強い・大きい人を100点とします。

そこから、20点以上点数が下がった人を「効果あり=改善あり」と評価しています。

亜鉛投与をした方が、改善例が多く観察されました。③
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「耳鳴り」の発生原因は1つではないと思いますが、これら複数の研究から考えて、亜鉛製剤投与は考えても良いかもしれません。
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  • ①Am.J.Otolary 2015.36.2.230-
  • ②Otol.Neurotol 2003.24.2.86-
  • ③Otol.Neurotol 2013.34.6.1146-
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