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肺気腫における亜鉛、セレンの活用


風邪でもないのに咳や痰が続いて発生し、息切れがするなどの症状が続く時は、肺の機能が低下している状態であり、呼吸困難を伴う事があります。

この状態を医学用語でCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼びます。

老若男女を問わず、多くの方がこの病気に悩まされています。

気管支による炎症が原因と言われ、肺気腫や慢性気管支炎などを指します。

肺気腫では気管支にある息を吸ったり吐いたりする機能を持った「肺胞」が炎症を起こし、呼吸困難や痰、咳が多くみられるようになります。

最大の原因は喫煙です。因みに厚生労働省は2016年8月、受動喫煙(自分以外の人の煙草の煙)が肺がんの主な原因である事を断定しました。

肺気腫はストレスによっても症状が悪化し、深刻な状況を引き起こします。

治療法として、炎症を抑える薬、痰・咳を止める薬、気管支を拡げる薬などが使われますが、最近、家庭で酸素吸入を行うようにもなりました。

肺気腫は肺の細胞が「過剰な活性酸素」を除去する力が不足していることが大きな原因の1つです。

活性酸素を除去してくれる代謝酵素の不足であり、その酵素の成分である亜鉛値が健常人より低くなっています。

不足している亜鉛を投与すると、活性酸素を除去してくれる酵素SODが増えています。

亜鉛投与によって、COPD患者の活性酸素除去能力が高まったと考えられます。

これによって、呼吸が楽になる可能性が高くなると思われます。

又呼吸器疾患が原因でICU(集中治療室)に入院した患者では、一般病棟の患者と比べてセレンの濃度が低値であったことが分かりました。

肺は静脈血に含まれる呼吸活動で生まれた二酸化炭素の全てを集めて外に吐き出します。

そのために二酸化炭素だけでなく、各器官での不要物が集まってくる事が予測され、活性酸素の障害を受け易い臓器です。

従って、SODのような活性酸素を除去する酵素が日頃から多く存在している事が重要です。

亜鉛とセレンは元々体に存在するミネラルで、肺の機能改善に役立ちそうな研究が報告されています。③④

亜鉛、セレンのようなミネラルを上手く活用し、「過剰な活性酸素」に負けないように心掛けたいものです。

①COPD:慢性閉塞性肺疾患 肺胞の破壊や気道炎症が起き、息切れが生じる病気
②SOD:スーパーオキシドディスムターゼ 活性酸素を強力に消去する酵素
③Respiratory Med 2008.102.840-844
④J.Thoracic Disease 2016.8.8.2068-2078

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