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脂肪肝や肥満の解消に役立つお話

脂肪肝や肥満の解消に役立つお話

020903人の身体には、自らを守るために脂肪が蓄えられます。

又エネルギーとして脂肪を燃やす細胞もあります。

脂肪を蓄える細胞を白色脂肪細胞(皮下、内臓に付く脂肪)といい、脂肪を燃やす細胞を褐色脂肪細胞と呼びます。

褐色脂肪細胞は全身にあるのではなく、首の周り、両脇の下、肩甲骨周りに存在しますが、20歳までに成長は終り、以後年齢と共に減少しエネルギ-の発生も減ってしまいます。

若い時にはいくら食べても太らなかったのに・・って思っていませんか?

高齢になれば、脂肪が溜まり太るだけ?そんなことはありません。

脂肪が溜まり太りやすくなることは間違いありませんが、それを回避する機能があり、しかもそのメカニズムが最近になって分かってきたのです。

ホッと一安心!!!

脂肪を燃やす褐色脂肪細胞はかなり減ってきますが、それ自身を活性化させることや白色脂肪細胞から新たに作られる誘導褐色脂肪細胞「ベージュ脂肪細胞」で脂肪を燃やす①②ことが分かったのです。

成人してから太った方は、褐色脂肪細胞と誘導褐色脂肪細胞「ベージュ脂肪細胞」の働きが悪かったことが原因です。

体温調節や生命維持のために脂肪を蓄えておく白色脂肪細胞から作られた誘導褐色脂肪細胞「ベージュ脂肪細胞」が生まれてから存在している褐色脂肪細胞の替わりとして働き始めるのです。

成人以後でも十分に脂肪燃焼システムが人には備わっている事が分かりました。🙌

020904それなら、現代人の脂肪燃焼を行うために何をすればよいのでしょうか! 
   
ところで、辛い物を食べた後、熱くなりませんか?これが正に脂肪を燃やすシステムなのです。

褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞にはあるたんぱく質の刺激を受けると、細胞内の脂肪を燃焼させるシステムが動き出し、燃えてエネルギーになることが分かりました。

IGF-1(インスリン様成長因子1)と呼ばれる因子(たんぱく質)に影響され、それぞれの脂肪細胞にCa(カルシウム)イオンが大量に入っていき、これが細胞内のミトコンドリアにあるUCP-1というたんぱく質を活性化させてエネルギーに変換します。

IGF-1(インスリン様成長因子1)は亜鉛、セレンと密接に関連し、亜鉛、セレンで増える事が報告されています。

又ベージュ脂肪細胞の核内にあるPPARγ(ピーパーガンマ)というたんぱく質は脂肪の燃焼に関係するUCP-1を増やし、脂肪の燃焼を促がします。

亜鉛はPPARγを活性化し、それによってUCP-1が増加して内臓脂肪が燃えることになります。

肝臓にはこれと似たPPARα(ピーパーアルファ)というたんぱく質があり、肝臓内の脂肪の燃焼に関わっています。

020906なんと、亜鉛はPPARαも活性化し、肝臓内の脂肪の燃焼に貢献します。

亜鉛とセレンは、内臓脂肪や肝臓内の脂肪の燃焼に直接働くことが多くの国内外の研究で判明していて、脂肪肝や肥満に対する有用性がいま注目されています。

① EMBO Reports誌(2016年3月1日号)、Cell Metabolism 2012.15.395-404
② 筑波大 遺伝子制御学ホームページ
③ J Pediatr Endocrinol Metab. 2012;25(9-10)

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